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名作ばかりなのでもちろん人それぞれ好みがあると思いますが、あだち充作品の中での最高傑作は何か?という議論を見かけると個人的には『H2』が真っ先に思い浮かびます。
細かい理由は色々とありますが、あだち充+野球という鉄板テーマの組み合わせ作品の中でも完成度が高いと感じるのが理由です。
このページでは、そんなH2の魅力をなるべくネタバレなしで解説してみようと思います。
全あだち作品とその時系列の詳細はこちらの記事をどうぞ。
この記事の目次
H2とは?
1992年から1999年まで週刊少年サンデーで連載されていたあだち充先生の青春野球漫画、単行本全34巻はあだち作品の中で最長の作品です。
※2022年時点の情報になります
主人公の国見比呂=ヒーロー、親友でライバルの橘英雄=えいゆう、2人のヒーローに絡めて『H2』というタイトルになっていて、彼らを中心に仲間達と野球にかける青春と恋を描いた物語となっています。
アニメ化
H2は90年代に1度アニメ化もされています。そちらの情報は下の記事にまとめてあります。
最高傑作だと思うH2の魅力
恋愛関係のテーマ
みゆきは義理の兄弟、ラフはロミオとジュリエットだったり、あだち作品は恋愛関係のテーマが物語の重要な軸になっています。
H2の場合は、成長の遅かった主人公が周りの人達から遅れて恋愛を意識するようになるという思春期に出遅れた少年のスレ違いが物語の1つのテーマ。
他作品と比べてもH2の思春期の出遅れというのは身近で共感度の高いテーマというのも物語に引き込まれるポイント!
野球漫画としてのこだわり
その頃Jリーグが始まってサッカーが異様に盛り上がってて、冗談じゃねえやって思って(笑)。サッカーに抵抗してやろうと、野球の面白さを描くことに自分なりにこだわったつもりなんです。タッチではあまり描かれなかった野球をちゃんと描いてみたら、違うものができるかなという意識もありましたね。
引用:あだち充インタビュー
H2の連載当時はJリーグが誕生してサッカーの人気が最盛期だった事もあり、あだち先生も野球の面白さを出す事にこだわったらしく野球漫画として読んでも面白い。
野球部の無い高校に色んな背景を持った個性的な仲間が集まり、ゼロから甲子園に向けて動き出していく千川高校野球部のサクセスストーリーもH2の魅力!
千川のチームメイト達を中心に対戦相手にもスポットライトを当てているので主要キャラ以外にも感情移入してしまいます。もちろん他の作品にも魅力的な脇役はいますがH2はその数が多い。
元・チームメイトでエースと4番だった比呂と英雄の対決、ゼロからスタートする千川高校野球部の物語、各選手達のエピソードなどなど熱いシーンが多い!
最後まで読めない展開
H2の意味にはヒロイン2人という意味も含まれている様で。1人は主人公と幼なじみの天宮ひかり、もう1人は千川高校野球愛好会のマネージャー古賀春華。
英雄とひかりの組み合わせが決定していると思いきやそうでもなく、千川高校野球部のライバルたち、英雄と比呂の対決など誰がどうなるか最後まで読めない展開も見所の1つ。
思春期の出遅れというテーマを軸に野球のライバルで親友とう要素をうまくミックスして爽やかに描いている完成度の高さもH2の凄みです。
魅力的な登場人物たち
野田敦
比呂と同じ千川高校に入学した捕手で中学時代から比呂とバッテリーを組んでいた相棒。英雄やひかりの事も中学時代から知っている親友同士。
野球だけじゃなくプライベートでも主役たちの全てを知り尽くしているため、捕手だけに優しくも時には厳しく展開をコントロールしている司令塔。
実は野田が隠れた主人公という声もあるほど、この人がいなければH2の話は成り立ちません。
木根竜太郎
H2(千川高校)のコメディリリーフ。基本的に良いやつなのか嫌なやつなのか天才なのか何なのか掴みどころのないキャラですが、その結論は漫画で確認してほしい。
主役みたいな存在感を発揮する名シーンがあるとかないとか。
H2のドラマ版情報
役名 | 俳優 |
---|---|
国見比呂 | 山田孝之 |
古賀春華 | 石原さとみ |
雨宮ひかり | 市川由依 |
橘英雄 | 田中幸太郎 |
野田淳 | 中尾明慶 |
木根竜太郎 | 石垣佑麿 |
H2は2005年にテレビドラマとして実写化されています。
山田孝之や石原さとみ等々、ドラマのキャストは一見豪華に見えますが2000年代前半ではまだ10代後半〜20代前半の駆け出し段階。体格の良い野田役が細い中尾明慶など配役は微妙なところです。
ドラマのエピソード数
話 | タイトル | 話 | タイトル |
---|---|---|---|
01 | 2人のヒーロー | 07 | …夢じゃねぇんだな |
02 | 鬼校長と2人だけの応援団 | 08 | 二年生・秋…それぞれの選択 |
03 | 幼なじみって大切ですか | 09 | 約束の夏へ |
04 | 二度目の春…胸騒ぎの初デート | 10 | もう一度選べ最後の甲子園準決勝 |
05 | 初勝利…キスしていいですか? | 11 | 変わらない想い…運命の対決 |
06 | いざ甲子園⁉︎入れ替わりWデート | – |
ドラマ版ではH2~君といた日々~と言うサブタイトルがついて全11話で構成、ストーリー内容も原作とは少し変わってます。
※平均視聴率は平均視聴率11.6%
主題歌 | over… | K |
まとめ
ある程度結末は予想できて、結末までのプロセスを楽しむパターンが多いんですが。H2の場合は野球と恋の結末、両方どちらに転ぶのかというドキドキ感が終わりに向かうにほど大きくなる。そこが凄い。
あだち作品といえばセリフだけではなく表情や仕草で読者に感情を伝える繊細な心理描写とストーリー展開が持ち味ですが、H2は読み返すたびに新たな捉え方を考えてしまうほど特にその間と描写が絶妙。
1度は読んでみることをお勧めしたい作品です。