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ジャンプ黄金期とは?
のちに名作と呼ばれる伝説的な作品が同時期に多数連載され、週刊少年ジャンプもバカ売れしていた全盛期を指してジャンプ黄金期と呼ばれています。
2023年時点のジャンプ発行部数は大体100万部台ですが、黄金期には歴代最高の発行部数653万部に到達してギネスレコードにもなっています。
そして、そこまで売れていた当時はどんな感じだったのかというと。
クラスの男子ほぼ全員が読んでいたので(ジャンプ漫画の事は)ほぼ全員が知っている。買えなかった時は持ってる人の家に読みに行くなんてことも普通。
どの地域でも発売日より前に手に入るお店があったので発売日より先に購入して読んでいる人も多かった。
本当は良くない事なんですが、先に売らないと集客に影響するので先売りする店が多かったのかもしれません。当時のジャンプにはそう思わせるくらいの影響力がありました。
少年誌の購読者層の人口数に対して653万部という発行部数は限界値と考えられていたらしく、競合雑誌はお手上げ状態。
それと同時にここまでの数字を維持するのは無理=いつかは終わるというのも分かるほど売れていたそう。
ジャンプ黄金期の始まりと終わり
ジャンプ黄金期がいつ始まり・いつ終わったのかというのは明確に決まっていないため、黄金期とされる期間には諸説あります。
参考までに黄金期の期間について考察してみると。
週刊少年ジャンプは1968年に創刊から年々発行部数を伸ばし、5年後の1973年には当時頂点だった週刊少年マガジンを抜き週刊少年誌の発行部数でトップに躍り出ています。
しかし、その時点ではまだ黄金期とされていません。
Dr.スランプが登場した1980年には300万部を突破、その辺の時期からキャプテン翼・北斗の拳といった後のジャンプの看板作品も徐々に登場し1995年に歴代最高発行部数を記録。
どこから黄金期とするかは80〜85年くらいの間で意見が分かれていますが、名作が集まり出したこの80年前半からが黄金期の始まりとされています。
1995年にはドラゴンボール、1996年にはスラムダンクの連載が終了。1996年には発行部数が推定500万部に減少、1997年には推定400万部となり少年マガジンに抜かれてしまいました。
そのため黄金期の終わりに関しては95年・96年あたりとされています。
ワンピースやナルトは黄金期後の作品とされています。
ジャンプ黄金期に連載を開始した主な漫画
ジャンプ黄金期にはどんな作品が登場・連載されていたのか、80年から96年までの間に週刊少年ジャンプで連載を開始した主な漫画をまとめてみました。
80年代に連載された主な漫画
連載開始 | 漫画 | 作者 | 連載終了 |
---|---|---|---|
1980 | ドクタースランプ | 鳥山明 | 1984 |
ハイスクール奇面組 | 新沢基栄 | 1987 | |
1981 | キャプテン翼 | 高橋陽一 | 1988 |
キャッツアイ | 北条司 | 1984 | |
1983 | ウイングマン | 桂正和 | 1985 |
天地を喰らう | 本宮ひろし | 1984 | |
北斗の拳 | 原哲夫・武論尊 | 1988 | |
銀河 -流れ星 銀- | 高橋よしひろ | 1987 | |
1984 | きまぐれオレンジロード | まつもと泉 | 1987 |
ドラゴンボール | 鳥山明 | 1995 | |
1985 | シティハンター | 北条司 | 1991 |
ついでにとんちんかん | えんどコイチ | 1989 | |
魁!!男塾 | 宮下あきら | 1991 | |
1986 | 聖闘士星矢 | 車田正美 | 1990 |
1987 | ジョジョの奇妙な冒険 | 荒木飛呂彦 | 2004 |
1988 | BASTARD!! -暗黒の破壊神- | 萩原一至 | 1989 |
ろくでなしブルース | 森田まさのり | 1997 | |
ジャングルの王者 ターちゃん | 徳弘正也 | 1995 | |
まじかるタルるートくん | 江川達也 | 1992 | |
1989 | ダイの大冒険 | 稲田浩司・堀井雄二・三条陸 | 1996 |
電影少女 | 桂正和 | 1992 |
80年代のジャンプ黄金期に連載を開始した主な作品をまとめてみました。
80年から89年までの間は今でも映像・商品化されている伝説的な漫画が毎年1作品以上登場。
ちなみに、この少し前の76年には秋本治先生のこち亀、79年にはゆでたまご先生のキン肉マンの連載が既に開始されています。
80年代のジャンプを振り返って見ると、毎年名作ラッシュなので、どこから黄金期とするのか意見が分かれる理由がわかります。
90年代に連載された主な漫画
連載開始 | 漫画 | 作者 | 連載終了 |
---|---|---|---|
1990 | スラムダンク | 井上雄彦 | 1996 |
幽遊白書 | 冨樫義博 | 1994 | |
珍遊記 | 漫画太郎 | 1992 | |
花の慶次 | 原哲夫・隆慶一郎 | 1993 | |
1991 | リベロの武田 | にわのまこと | 1992 |
アウターゾーン | 光原伸 | 1994 | |
1992 | モンモンモン | つの丸 | 1993 |
ボンボン坂高校演劇部 | 高橋ゆたか | 1995 | |
究極!!変態仮面 | あんど慶周 | 1993 | |
BØY | 梅澤春人 | 1999 | |
1993 | 忍空 | 桐山光侍 | 1995 |
とってもラッキーマン | ガモウひろし | 1997 | |
地獄先生ぬ〜べ〜 | 岡野剛・真倉翔 | 1999 | |
D.N.A2 | 桂正和 | 1994 | |
1994 | るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- | 和月伸宏 | 1999 |
みどりのマキバオー | つの丸 | 1998 | |
MIND ASSASSIN | かずはじめ | 1995 | |
王様はロバ -はったり帝国の逆襲- | なにわ小吉 | 1996 | |
まんゆうき | 漫画太郎 | 1994 | |
1995 | すごいよ!!マサルさん | うすた京介 | 1997 |
人形草紙あやつり左近 | 小畑健・宮崎まさる | 1996 | |
真島クンすっとばす!! | にわのまこと | 1998 | |
レベルE | 冨樫義博 | 1997 | |
1996 | 封神演義 | 藤崎竜 | 2000 |
幕張 | 木多康昭 | 1997 | |
遊戯王 | 高橋和希 | 2004 |
90年代のジャンプ黄金期に連載を開始した主な作品をまとめてみました。ちなみに、黄金期は95・96年までという意見が多いので黄金期最後の96年までとしています。
ちょうど90年をピークに、それ以降は勢いがやや落ち着いてきた印象を受けます。
それでもまだ隔年で名作が登場しているので特別悪いペースではないと思いますが、全盛期の勢いの異次元さを感じます。
歴代最高発行部数時の連載漫画
目次 | 漫画 | 当時のタイトル | 作者 |
---|---|---|---|
01 | スラムダンク | 207話 真っ向勝負(湘北vs豊玉) | 井上雄彦 |
02 | SHADOW LADY | 読み切り | 桂正和 |
03 | MIND ASSASSIN | 4話 闇深き者 | かずはじめ |
04 | ドラゴンボール | 500話 大逆転(魔人ブウ編) | 鳥山明 |
05 | みどりのマキバオー | 6話 全速力でとばせ | つの丸 |
06 | とってもラッキーマン | 68話 ラッキークッキー 恐怖の世界の巻 | ガモウひろし |
07 | るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- | 35話 その男・雷十太 | 和月伸宏 |
08 | ボンボン坂高校演劇部 | 118話 忘れじのHolly Night!の巻 | 高橋ゆたか |
09 | NANPOUDEN -南方遊伝- | 読み切り | 梅澤春人 |
10 | 地獄先生ぬ~べ~ | 66話 猫又の巻 | 真倉翔・岡野剛 |
11 | ジョジョの奇妙な冒険 | 見えない能力 | 荒木飛呂彦 |
12 | キャプテン翼 ワールドユース編 | 18話 気迫で闘えの巻 | 高橋陽一 |
13 | こち亀 | 新しい生命の巻 | 秋本治 |
14 | 新ジャングルの王者ターちゃん | 334話 ヘレンちゃんのアルバイトの巻 | 徳弘正也 |
15 | ダイの大冒険 | 253話 ポップ・炎に死す・・・ | 堀井雄二・三条陸・稲田浩司 |
16 | 影武者徳川家康 | 42話 冥府からの生還の巻 | 原哲夫・隆慶一郎・會川昇 |
17 | 忍空 -SECOND STAGE- | 5話 亥忍の男 | 桐山光侍 |
18 | RASH!! | 13話 The Friendly Persuasion | 北条司 |
19 | ろくでなしブルース | 321話 Prestuplenie i nakazanie | 森田まさのり |
20 | BØY | 102話 SILENT NIGHT | 梅澤春人 |
21 | BAKUDAN | 14話 お笑い草だぜ | 宮下あきら |
22 | 王様はロバ -はったり帝国の逆襲- | 40話 ごときの巻 | なにわ 小吉 |
歴代最高部数653万部を記録した週刊少年ジャンプ1995年3・4月合併号の目次になります。
当時掲載されていた漫画とタイトルはこのようになっています。
ドラゴンボール・スラムダンク共に終盤に差し掛かっている時期ですね。
ジャンプ黄金期の代表作
ここからはジャンプの黄金期80年〜96年までに連載されていた当時のジャンプの看板作品をピックアップしてみます。
Dr.スランプ&ドラゴンボール
ドクタースランプの登場でジャンプ黄金期が始まり、ドラゴンボールの全盛期と共にジャンプも全盛期を迎え、ドラゴンボールの終了と共に黄金期が終わる。
そう言っても過言ではないほど、ジャンプ黄金期の看板漫画といえば真っ先に思い浮かぶのは鳥山先生のこの2作品。
ドラゴンボールシリーズの順番やつながりをまとめた記事はこちらになります。
北斗の拳
独特なセリフ回しで80年代に一世を風靡、ジャンプ黄金期を語る上でも外せない漫画かと思います。
シリアスな描写も多いため今の時代に連載されていれば少年誌には分類されない可能性もあり。北斗の拳とドラゴンボールが同時期に同雑誌で読めたというのはこの時代だったからこそ。
キャプテン翼
世界中のサッカー小僧に影響を与えたサッカー漫画の金字塔、サッカープレイヤーなら老若男女問わず名前くらい一度は聞いたことがあるはず。
中田英寿やイニエスタなど数々の日本代表選手や海外のスーパースターにも影響を与え、昭和〜平成の子供たちはキャプ翼に登場する必殺シュートを真似していたとか。
聖闘士星矢
今なおアニメやゲーム化もされている80年代ジャンプ黄金期を代表する作品の1つ。
各キャラが使用する聖衣(クロス)という変形する独特な装備が格好良く、この装備を着脱できる聖闘士星矢のフィギュアには根強い人気があります。
ジョジョの奇妙な冒険
ジャンプの看板シリーズになったジョジョの奇妙な冒険も黄金期に連載開始。
個性的な決めポーズがテレビ番組などで取り上げられて『ジョジョ立ち』として話題になり、今では年齢の壁を超えて楽しまれている30年以上続く人気シリーズとなっています。
スラムダンク
90年代のジャンプ黄金期で絶対に外せない伝説的なスポーツ漫画。
何十年も続編が待たれているものの、あのラストを越える展開も想像できない。それくらい完成度の高い作品で2022年に映画化されて再びその人気に火がつきました。
シティハンター&キャッツアイ
アニメの主題歌『GET WILD』が定番になっている80年代ジャンプ黄金期の看板作品。2019年に新作劇場版が上映されるなど近年でも話題になります。
北条司先生の前作キャッツアイと同じく内容は少年誌より青年誌向きな部分もありますが、時代が変わっても変わらないかっこよさがあります。
ダイの大冒険
人気ゲームのドラクエシリーズの設定を元にした90年台ジャンプ黄金期を代表する漫画の1つ。2022年にフルリメイクして再アニメ化されたことで近年話題にもなりました。
ジャンプ黄金期の看板というだけじゃなく、ドラクエシリーズを題材にしている『ドラクエ漫画』を代表する作品でもあります。
ドラクエを題材にした漫画をまとめた記事はこちらをどうぞ!
ダイ大のアニメ情報についてはこちらの記事をどうぞ!
ろくでなしブルース
2000年代にドラマ化で話題になったルーキーズの作者・森田まさのり先生の出世作。アニメや実写化などの話題性は低めですが80〜90年代ジャンプ黄金期を代表する作品の1つ。
不良の青春漫画ですがギャグ要素多く、当時は独特のポーズやセリフもちょっと話題に。キャラをデフォルメした『ろくでなしぶる〜ちゅ』も人気でした。
幽遊白書
90年代ジャンプ黄金期の看板の1つにして、今ではヒットメーカーになっている冨樫義博先生の出世作。
冨樫作品独特なミステリアスでスタイリッシュな大人な雰囲気を持ちつつも、『霊丸』や『邪王炎殺黒龍波』などの必殺技が当時の子供たちの間でも話題になりました。
キン肉マン
79年に連載が始まり80年代ジャンプ黄金期を作った作品の1つ。序盤はギャグ漫画路線でしたが、バトル(プロレス)漫画へと変化して人気を獲得。
ほとんどのキャラを読者から募集するという形を取っていたため応募に投稿が殺到したり、キャラのミニ模型『キン肉マン消しゴム(キン消し)』というガチャガチャも大流行していました。
こちら葛飾区亀有公園前派出所
派出所に勤務する両津と周囲の人物がまきおこすドタバタ系コメディで1976年の連載開始から2016年まで続いたジャンプの名物漫画。
1990年代〜2000年代にかけて実写ドラマやアニメ化でも話題になり、ジャンプを長年支え続けた名作といえばこち亀は外せない漫画です。
るろうに剣心
映画・アニメ・ゲーム・実写・舞台と様々なメディアで映像化され黄金期終盤を支えた人気作。
2012〜2021年まで続いた実写映画シリーズは大ヒット、2023年には再度アニメ化されて近年でも話題になっています。
遊戯王
今では遊戯王のトレーディングカードゲームが世界中で人気となった作品ですが、初期は悪者に様々なゲームを仕掛けて倒すという内容でした。
90年代黄金期最終年に連載開始ということで黄金期の看板作品としては微妙な立ち位置ですが、黄金期に始まって後々ジャンプの看板となった漫画です。
まじかるタルるートくん
東京大学物語の作者・江川達也先生がジャンプに連載していたギャグ漫画。小学生の物語ですが、お色気シーンもあり幅広い年齢で楽しめそうな作品。
当時はアニメやゲーム化もされた人気作で、ポップなキャラデザインや色使いなどにも今見てもセンスを感じます。
ジャングルの王者ターちゃん
下ネタ要素が強いギャグと格闘バトルが売りの人気作。ジャンプ黄金期に約10年間もの長い期間連載されていました。
1990年ごろから新ジャングルの王者ターちゃんとなり、格闘漫画へと変化するという黄金期によくあった定番パターンで人気を集めました。
電影少女
女の子が可愛さとお色気で話題だった桂正和先生の黄金期に連載されていたSF要素の入った恋愛漫画で、2018年に実写で連続ドラマ化されています。
桂先生の画力の高さのせいか、お色気要素で注目されがちですが実は恋愛漫画としての完成度も高い作品。
地獄先生ぬ〜べ〜
学校の怪談・都市伝説などを題材に鬼の手を持った小学校の教師が活躍するオカルト・アクション漫画。当時の小学生ならほとんどが知っているであろう黄金期終盤を支えた人気作。
オカルトを軸にラブコメやお色気など幅広い要素もあり、2014年にアイドルグループ・SUPER EIGHTの丸山さん主演で実写ドラマ化して色んな意味で話題にもなりました。
ジャンプ黄金期まとめ
連載作品の豪華さという部分では2000年代以降も黄金期といわれる期間があるかもしれませんし、人それぞれに好みはあるので黄金期と感じる期間も人によって違うと思います。
ただ、653万部という歴代最高発行部数は、今後、購読者層の人口が爆発的に増えるかしない限り超えられないと言われているほどの数字。
それに当時の社会現象的なブームなど、物理的な意味では80年代前半〜90年代中盤までが今のところ少年ジャンプの黄金期と言えます。